吉田皓一氏は、繁体字で日本の観光・グルメ情報を発信する台湾最大級の訪日観光メディア「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」を発信する株式会社ジーリーメディアグループの創設者であり、現在も第一線でメディアを運営・発信し続けている起業家です。
防衛大学校から慶應義塾大学へ。広告会社での経験を経て、台湾人・香港人向けの訪日観光メディアを立ち上げた吉田氏は、中国語を独学で習得し、自ら発信者としても活躍しています。本記事では、吉田氏のこれまでの歩みや価値観、未来への展望についてご紹介します。
吉田皓一氏のプロフィールとこれまでの歩み

まずは吉田皓一氏の生い立ちから学歴、語学力、職歴まで、その人物像を多面的に紹介します。

引用:https://geelee.co.jp/aboutus/
| 名前 | 吉田 皓一(よしだ こういち) |
|---|---|
| 生年月日 | 1982年8月26日 |
| 出身地 | 奈良県 |
| 出身大学 | 慶應義塾大学経済学部 |
| 職業 | 株式会社ジーリーメディアグループ代表取締役社長 台湾交通部(国交省)MaaSプロジェクト顧問 |
| 資格 | HSK漢語水平考試 6級(最高級)・中国語検定準1級 |
| 公式X | https://mobile.x.com/yoshidagakusei |
奈良県葛城市出身の吉田氏。サラリーマンの父とデザイナーの母の間に生まれた彼が中国に興味を持ったのは、中国に度々出張に行っていた母の影響だといいます。家庭の方針で油絵を習っていた幼少期は、本気で漫画家を目指していた時期もあったということで、小さい頃から日本の文化を発信することに興味があったことも伺えます。
彼のキャリアは、常に新たな挑戦と成長の連続でした。吉田皓一氏の起業家としての精神はどこから生まれたのか、そしてジーリーメディアグループ設立に至るまでの道のりには、どのような経験があったのかを深掘りしていきます。
学生時代から培われたビジネスの芽生え
吉田氏のビジネスに対する関心は、学生時代にまで遡ります。奈良県葛城市出身の彼は、1990年代に阪神・淡路大震災の被災を経験し、その際に助けてくれた自衛隊の人々の姿に憧れ「人の役に立つ仕事がしたい」という思いから防衛大学校へ進学しました。
しかし、「防衛大学で国防を担うよりも、漫画やアニメといった日本文化を世界に広めることで日本の役に立ちたい」という気持ちが強まり、慶應義塾大学に入り直す決断をします。
慶應義塾大学経済学部に編入し、経済を学びながら語学と異文化への関心を深め、独学で中国語を習得しました。HSK(漢語水平考試)最高級と中国語検定準1級を取得し、台湾の人々と自然にコミュニケーションがとれるほどの語学力を身につけました。
この時期に培われた「自ら課題を見つけ、解決策を生み出す」という起業家としての素養が、現在の吉田氏の礎を築いたと言えるでしょう。
広告業界での経験と台湾メディア事業への転身
大学卒業後、日本のコンテンツ関連企業の中でも「デジタルと海外」に関わる仕事を特に志望していた吉田氏は、朝日放送に入社し、総合ビジネス局でテレビCMの企画や営業に携わりました。ここで広告業界の実務を経験し、マーケティングとメディアの仕組みに関する理解を深めました。
3年間勤務したのち退職し、2011年からFacebookで台湾・香港の人々に向けて日本の観光情報を発信し始めます。写真と文章で構成されたその投稿は、現地の若者を中心に支持を集め、半年でフォロワー数は10万人を突破しました。
この反響を受けて「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」を開設し、2013年には株式会社ジーリーメディアグループを設立しました。当時、日本への外国人観光客は増加傾向にありましたが、その受け入れ体制や情報提供にはまだ多くの課題がありました。
吉田氏はここにビジネスチャンスを見出し、インバウンド市場に特化した事業を展開することを決断したのです。
吉田皓一の功績とジーリーメディアグループの成長戦略

吉田皓一氏のリーダーシップのもと、ジーリーメディアグループはインバウンド市場において確固たる地位を築き上げてきました。その成功の裏には、どのような戦略と功績があったのでしょうか。
インバウンドメディア「樂吃購!日本」の成功と多角的なメディア展開

ジーリーメディアグループの代表的な功績の一つに、インバウンドメディア「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」の成功が挙げられます。このメディアは、台湾・香港の人々に向けて日本各地の観光地、グルメ、ショッピング情報を繁体字で発信するウェブメディアです。
現在では月間ユニークユーザー数が300万人を超える規模に成長し、台湾では圧倒的な認知度を誇っています。吉田氏は、単に観光地情報を羅列するだけでなく、日本の文化、食、そして人々の温かさといった「体験」に焦点を当てることで、読者の心に響くコンテンツ作りを徹底しました。
情報発信はウェブサイトだけでなく、Facebook(ファン数100万人超)、YouTubeチャンネル「吉田社長Japan TV」、台北市内のアンテナショップ運営、越境ECサイトなど、多方面に広がっています。また、吉田氏自身も2018年からFMノースウェーブのラジオ番組「美麗!台湾」に出演し、日本の地域文化や魅力を台湾のリスナーへ向けて紹介するなど、リアルとデジタルの両方で活動を続けています。
インバウンドDX推進と新たな挑戦
ジーリーメディアグループは近年、テクノロジーを活用した「インバウンドDX(デジタルトランスフォーメーション)」に注力しています。訪日外国人観光客の体験価値を高めると同時に、受け入れ側の業務効率化や利便性の向上を目指し、さまざまな取り組みを進めています。
その一例が、株式会社ぐるなびとの連携によるチャットボットを活用した多言語予約システムの導入です。2018年には、訪日リピーター率の高い台湾・香港のユーザーに向けて、「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」上から中国語(繁体字)で飲食店の予約ができるサービスを開始しました。この機能では、チャットボットが予約プロセスをサポートすることで、利用者と飲食店の間にある言語の壁を取り除き、スムーズな予約体験を提供しています。
こうしたテクノロジーの導入により、ユーザーの利便性を高めるだけでなく、飲食店側にも新たなインバウンド需要をもたらす成果が生まれています。
吉田氏は、テクノロジーを単なる効率化の手段としてではなく、「文化やサービスをより分かりやすく届けるための橋渡し」として捉えており、こうしたDXの取り組みを今後さらに発展させていく方針です。
参考:https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP494480_Q8A031C1000000/
吉田皓一の経営哲学と未来への展望

吉田皓一氏の成功の裏には、揺るぎない経営哲学と、常に未来を見据える視点があります。彼のビジネスに対する考え方、そして今後ジーリーメディアグループが目指す方向性について掘り下げていきます。
「人に投資する」という吉田皓一の信念
吉田氏の経営哲学の中で特に注目すべきは、「人に投資する」という信念です。彼は、企業の成長は社員一人ひとりの成長に他ならないと考えており、社員が最大限のパフォーマンスを発揮できるような環境づくりに力を入れています。
具体的には、個々のスキルアップを支援するための研修制度や、新しいアイデアを積極的に提案できるフラットな組織文化を醸成しています。社員が主体的に考え、行動することを奨励することで、組織全体の創造性とイノベーションを促進しているのです。
また、ジーリーメディアグループの組織には、台湾人・日本人をはじめとする多国籍のスタッフが在籍しており、言語や文化の壁を超えて協働する体制が整っています。吉田氏は「共通の価値観と情熱があれば、国籍や言葉の違いはむしろ強みにできる」と考え、チームの多様性を力に変える経営を実践しています。
グローバル視点と社会貢献への強い想い
吉田氏は、ビジネスを単なる利益追求の手段とは考えていません。彼は常にグローバルな視点を持ち、ジーリーメディアグループの事業を通じて、日本と世界の文化交流を促進し、より良い社会の実現に貢献したいという強い思いを抱いています。
彼は「金儲けのためではなく、日本と台湾の文化交流のためにビジネスをしている」と語っており、単にモノやサービスを売るのではなく、その背後にある文化や人々の想いを伝えることを大切にしています。
地方自治体との連携も積極的に進めており、北海道や九州、富山県など、都市圏以外の魅力を台湾・香港に向けて発信し続けています。「地方にこそ、日本らしさがある」と語るその姿勢には、文化を伝える覚悟がにじみ出ています。
音楽や商品開発への新たな挑戦
近年は、新たな表現手段として音楽にも挑戦しています。2024年には、中国語で作詞したオリジナル楽曲「SUSHI PARTY」をYouTubeで公開しました。寿司のマナーや歴史を楽しく伝えるこの曲は、台湾の若年層に親しまれ、多くの再生数を記録しています。

画像引用:https://geelee.co.jp/4939/
さらに、日本初の台湾エリア限定日本酒「これあらた」のプロデュースも手がけるなど、地方の産品を海外に紹介する活動にも取り組んでいます。
吉田氏は「五感を通じて日本を伝えたい」と語り、動画・音楽・食を活用したコンテンツ開発に力を注いでいます。
今後の展望と若い世代へのメッセージ
吉田皓一氏は、今後も“個人の言葉”で文化を伝える姿勢を大切にしながら、より多くの仲間と共に新しい価値を生み出していきたいと考えています。自らが台湾でメディアに出演したり、日本物産展の顔として登場するなど、「個のキャラクター」を活かした差別化も継続していく方針です。一方で、「会社は組織であり、私ひとりが刀を振り回しても意味がない」と語り、社員一人ひとりが主体的に動ける体制づくりにも注力されています。
ジーリーメディアグループで求める人材像について、吉田氏は「愛に溢れた人」と表現しています。利益やスピードだけを追い求めるのではなく、仲間や相手の立場に立って物事を考えられる人。全員でゴールするという自衛隊時代の考え方に影響を受け、「速い人だけが先に行くのではなく、遅れた人に手を差し伸べて全員でゴールする」ような価値観を、組織の根幹に据えています。
また、中国語が話せることは必須条件ではないとし、「望むのであれば、語学学習の支援も惜しまない」としています。語学やスキルよりも、「常識に縛られず、新しいことに挑戦できるかどうか」が大切であり、台湾に特別な知識や経験がなくても、情熱と柔軟性があれば十分に活躍できると語っています。
現在のジーリーメディアグループは、ウェブメディアだけでなく、台北の中心地にアンテナショップを展開したり、紙のガイドブックを制作したりと、デジタルとアナログの両軸で積極的な事業展開を進めています。アプリ開発を含め、「今は何でも挑戦できるフェーズにある」と語る吉田氏。その言葉の通り、チャンスにあふれたフィールドが若い世代にも開かれています。
今後は、「広げすぎた分の地盤固めが必要」とも語っており、攻めと守りのバランスを重視しながら、次の成長段階へと舵を切ろうとしています。
まとめ|吉田皓一氏から学ぶ未来を切り開く力

本記事では、株式会社ジーリーメディアグループ代表取締役社長である吉田皓一氏のこれまでの歩み、そして彼の経営哲学と未来への展望について詳しく見てきました。彼のキャリアは、常に変化を恐れず、新たな挑戦を続けることの重要性を示しています。
吉田氏の成功は、単なるビジネスセンスだけでなく、社会や顧客のニーズを深く理解し、それに応えるための情熱と行動力、そして揺るぎない信念に基づいています。彼がインバウンドDXの最前線で活躍し続けるのは、常に未来を見据え、テクノロジーの力を最大限に活用しながら、社会全体の発展に貢献しようとする強い意志があるからです。
20代から30代の皆さんが、自身のキャリアやビジネスを考える上で、吉田皓一氏の挑戦と成功の軌跡は、きっと多くの示唆を与えてくれるはずです。変化の激しい時代において、私たちに必要なのは、吉田氏のような先見の明と、困難を乗り越えるための粘り強さ、そして何よりも情熱を持って自身のビジョンを追求する力ではないでしょうか。彼の今後のさらなる活躍から目が離せません。

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