最近SNSやニュースで「ピックルボール」という言葉をよく見かけませんか?実は、日本での競技者数がこの1年で約5倍の約4.5万人にまで急増している超注目スポーツなんです。
初心者でも気軽に始められ、趣味や運動、コミュニケーションに活用できるピックルボール。その人気の秘密と、「今」こそ始めるべき理由を、すべて詰め込みました。
いま日本で“ピックルボール”が熱い!その理由とは?
ピックルボールとは、1965年にアメリカ・シアトルで誕生したラケットスポーツ。バドミントンコートと同じ広さでパドル(板状のラケット)と、穴の空いたプラスチック製ボールを使い、シングルスまたはダブルスで11ポイント先取を競います。プレーの難易度が低く、ラリーが続きやすいのが魅力です。
日本では、2025年3月時点で約4.5万人が競技していると推計され、1年前の2024年3月と比較して5倍に増加しました。これは約390%の急成長に相当します。
特にゴールデンウィークや夏季シーズンにかけて、月間アクティブユーザーが6,159人から30,219人へと跳ね上がりました。都市部だけではなく地方都市にも広がりつつあり、注目度は全国的に高まっています。
この現象は一時的なブームではなく、複数の要因が重なって生まれた必然的な流れとも言えます。以下では、その人気急上昇の背景を4つの観点から詳しく解説します。
1. 手軽に始められるスポーツとしての魅力
ピックルボール最大の特長は、「誰でも簡単に始められる手軽さ」にあります。必要な道具はパドルとボール、あとは10m×5mほどのコートスペース。ラケットスポーツ経験がなくても、コツさえつかめばすぐにラリーが楽しめます。
また、サーブは「下から打つ」というルールのため初心者でも入りやすく、スピードやパワーよりもコントロール重視なので、運動神経や体格に自信がない人でもハンデを感じにくいスポーツです。
さらに最近では、安価なスターターキット(3,000〜5,000円程度)も普及し、YouTubeなどでルールや技術を学べる環境も整っています。「とりあえず試してみよう」と思ったその日からプレー可能なハードルの低さが、急速な人口増加を後押ししています。
2. 世代や性別を問わず誰でも楽しめる
ピックルボールは、老若男女が同じフィールドで競える数少ないスポーツのひとつです。反射神経や瞬発力よりも戦術やコントロールが重要になるため、10代の若者からシニア層まで幅広く親しまれています。
実際、アメリカでは60代・70代のプレイヤーも多く、ピックルボールは“シニアの新たな生涯スポーツ”としても知られています。日本でもその流れを受け、フィットネスクラブや地域サークルが高齢者向けのプログラムに取り入れるケースが増えています。
また、ダブルス主体の競技スタイルのため、夫婦・親子・男女混合などで楽しめるのも魅力的。単なるスポーツを超えて、家族や仲間とのコミュニケーションの場としても支持されています。
3. 施設の整備とイベントの増加
ピックルボール人気の広がりとともに、常設コートや体験イベントの整備も一気に加速しています。
例えば、東京都港区の東京タワー屋上には国内初の商業施設常設コートが誕生し、都市型ピックルボールの象徴となっています。他にも赤坂サカス、恵比寿ガーデンプレイスなど、普段スポーツとは縁がないような場所でも体験イベントが開催されるなど、カジュアルな“入り口”が一気に広がっています。
地方自治体やスポーツ施設も動き始めており、千葉県船橋市や福岡県糸島市では大規模なフェスタや国際大会が開催されるなど、地域活性化にも貢献しています。
また、民間でも「Pickleball One」や「JAPAN Pickleball Federation」などが全国マップの公開や大会主催を行っており、始めた後も継続しやすいコミュニティが形成されつつあります。
4. メディア・企業による後押し
2025年に入ってから、ピックルボールは複数のメディアで「今年のトレンド」として取り上げられました。日経トレンディの「ヒット予測ベスト30」では第14位に選ばれ、各ニュースサイトやYouTubeでも取り上げられる機会が急増しています。
さらに企業側も反応しており、SansanやBRUNOなど大手企業がピックルボール体験を社内イベントに導入したり、企業リーグを企画する流れも出てきています。
加えて、2025年夏には国内初のプロリーグ「PJFジャパンリーグ BURGER KING® CUP」が東京・有明で開催され、賞金制度を備えた本格的な競技化が始まります。このように、「誰でも楽しめる」というイメージから、“見るスポーツ・応援するスポーツ”としても発展する兆しが見え始めているのです。
参考:ピックルボールが生涯スポーツの筆頭に? TBSや三井不動産も参入:日経クロストレンド
参考:Sansanが普及を推進する「ピックルボール」が「2025年ヒット予測ベスト30」にランクイン〜当社の普及施策を通じ、約6000名が体験〜 | Sansan株式会社
ピックルボールを始めたい!魅力とおすすめポイント
ピックルボールは「軽く体を動かしたい」「仲間と気軽にスポーツを楽しみたい」「日常に新しい刺激がほしい」そんな思いを持つ人にぴったりのスポーツです。ここでは、特に注目すべき4つの魅力を具体的に紹介します。
社会人で運動不足を感じている方に最適
デスクワーク中心の生活、残業続きの毎日、気づけば「最近ぜんぜん体を動かしてない…」という社会人は少なくありません。ジムに通うのもハードルが高いし、ランニングは継続が難しい。そんな人こそ、ピックルボールを試す価値があります。
ピックルボールは、短時間でも運動効果が高く、ゲーム感覚で楽しめるため、気軽に日常へ取り入れやすいのが特長です。20〜30分の軽いプレーでも十分に汗をかけるうえ、コートも狭いため移動量がちょうどよく、体力に自信がなくても無理なく楽しめます。
また、週末だけ・仕事帰りの1時間だけでもOKという柔軟さも社会人にとって魅力的。服装も動きやすければ問題ないため、ジムのような本格装備も不要です。プレー後の爽快感と、少しずつ上達していく実感が継続のモチベーションになります。
ダイエット・健康志向の方に効果的
ピックルボールは見た目以上に運動量のあるスポーツで、特に「楽しみながら痩せたい」「健康を維持したい」という人にぴったりです。
有酸素運動としての効果が高く、1時間プレーすれば約300〜500kcal程度の消費も期待できます(体格やプレースタイルによって差あり)。また、ランニングのように関節へ大きな負担をかけることが少ないため、膝や腰に不安のある人でも安心して取り組めます。
さらに、ラリーが続きやすい競技特性により「ゲームに夢中になっていたら、自然に運動していた」という感覚が得られるのも魅力。特に継続的に運動をしたい人にとっては、「義務感」ではなく「楽しさ」で体を動かせるピックルボールは理想的です。
朝活・ナイトスポーツとしての導入もおすすめで、習慣化しやすく、日々のストレス解消や生活リズムの改善にもつながります。
友人や家族との交流を深めたい方にぴったり
ピックルボールは、プレーヤーの技量に大きな差があっても一緒に楽しめるスポーツです。だからこそ、友人や家族とのレジャーや、週末のアクティビティに最適。
特にダブルスが主流のため、コミュニケーションを取りながら自然に盛り上がれる点が大きな魅力です。「一緒に練習して、ペアで試合に出る」という楽しみ方もできるため、共通の趣味として関係性を深めるきっかけにもなります。
親子・夫婦・兄弟・会社の同僚など、年齢や立場の違いを越えて楽しめるのがピックルボールの良いところ。ラケットスポーツにありがちな“ガチ勢と初心者の格差”が生まれにくく、誰とでもフラットに楽しめるスポーツ文化が根付いています。
また、家族でのプレーは子どもの運動習慣の定着にもつながるため、教育的観点からも注目されています。
コミュニケーションツールとしての価値が高い
ピックルボールは単なるスポーツの枠を超えて、「人と人をつなぐ“交流の場”」としての価値が急速に高まっています。
企業では、ピックルボールを社内イベントやチームビルディングに取り入れる動きが広がっており、実際にSansan株式会社やBRUNO株式会社などが導入事例として注目されています。部署を越えた交流や、立場の垣根を超えた関係づくりが生まれやすいと好評です。
地域では、町内会や自治体主催の体験会・フェスタが開催され、子どもから高齢者までが一緒に楽しめる機会が増加。「ピックルボールがきっかけで友達ができた」という声も多く、引っ越し後の地域コミュニティに溶け込む手段としても活用されています。
また、SNSを通じて仲間とつながる文化も活性化中。プレー動画や戦績を共有したり、ローカル大会の様子を発信することで、地域の枠を越えた新しい“スポーツ友達”が自然に生まれています。
つまり、ピックルボールは運動不足解消や健康維持だけでなく、「人と人をつなぐメディア」としての側面でも非常に強力なスポーツなのです。
ピックルボールは他のラケットスポーツと何が違う?
「ピックルボールって、結局テニスやバドミントンと同じじゃないの?」と思われるかもしれません。実は、それぞれ似ている部分もありますが、ピックルボールには初心者に優しい工夫と、独自の楽しさがあります。
ここでは、テニス・バドミントンと比べた主な違いと特徴を、文章と表の両方でわかりやすく解説していきます。
1. コートの広さと運動量が控えめで、体力的にやさしい
ピックルボールはバドミントンのダブルスコートとほぼ同じサイズ(13.41m × 6.10m)で行います。テニスのような広いコートを走り回る必要がないため、体力に自信がない人でも無理なく楽しめます。
2. 道具が軽くて扱いやすい
テニスラケットよりも小さくて軽い「パドル」を使い、打つのは柔らかいプラスチックボール。手首や肘への負担も少なく、初心者でもすぐに感覚をつかめます。
3. サーブが下から・ラリーが続きやすい
ピックルボールではサーブは「下から」打つルールなので、スピード重視のサーブは不要。バウンドしてから打ち合うため、ラリーが続きやすく、競技経験の差が出にくいのも魅力です。
4. 運動×交流というバランスが取れている
勝敗だけでなく、仲間と楽しむ「レクリエーション性」が強いため、スポーツ初心者やファミリー層にもぴったり。ダブルス中心なので、会話や笑いのある雰囲気で楽しめます。
ピックルボール vs テニス vs バドミントンの比較表
ピックボールとテニスやバドミントンといった他のラケットスポーツとの違いを表にまとめてみました。
ピックルボール | テニス | バドミントン | |
コートの広さ | 13.41m × 6.10m | 約23.77m × 10.97m
(ダブルス) |
13.40m × 6.10m
(ダブルス) |
ラケットの種類 | パドル
(板状で軽い) |
フレーム+ストリングのラケット | 軽量フレーム+ガットのラケット |
ボールの種類 | 穴あきプラスチックボール | ゴム製・フェルトボール | シャトル(羽根) |
サーブの形式 | 下から打つ | 上から可 | 下からのみ |
初心者へのやさしさ | ◎ 最も始めやすい | △ 経験者と差が出やすい | 〇 比較的入りやすい |
体への負担 | 小さい/無理なく続けやすい | 大きめ/走る量が多い | 中〜大/急な動きが多い |
主な競技スタイル | ダブルス中心 | シングルス・ダブルス両方 | ダブルスが多い |
ラリーの続きやすさ | ◎ 続きやすい | △ スピード重視で切れやすい | 〇 長めになりやすい |
楽しさの軸 | 運動+交流 | 競技性・技術 | スピード・反射神経 |
ピックルボール始め方ガイド:必要なものとステップ
「興味はあるけど、何を用意すればいいの?」「どこでできるのか分からない…」そんな不安を感じている人も多いはず。でもご安心を。ピックルボールは最低限の用具があればすぐに始められて、特別な知識も不要です。
ここでは、用意すべきアイテムと、実際にプレーを始めるまでの基本的なステップをわかりやすく解説します。
必要な用具リスト
必要な道具はいたってシンプル。基本的にはパドルとピックルボールを購入すれば、簡単に始める事ができます。
パドル(ピックルボール用のラケット)
ピックルボール用のラケットは「パドル」と呼ばれ、テニスやバドミントンのラケットよりも短くて軽いのが特徴です。サイズは平均で長さ40cm前後、幅20cm程度。初心者向けとしては、「Onix」「Selkirk」「Franklin」などのブランドが人気。価格帯は安価なもので3,000円台から。
ピックルボール(専用の穴あきプラスチックボール)
直径は約7.3cm、重さは約22g前後の軽量プラスチックボールで、表面に穴が空いています。屋内用・屋外用で種類が異なり、屋外用は硬めで穴が少なめ、屋内用は柔らかくて穴が多めです。
ネット
公式サイズは高さ約91.4cm(中央は86.4cm)、幅は6.7m。初心者は、簡易ネット(組み立て式)を使えば、自宅や体育館、公園などで手軽にプレー可能です。
コートマーカー/ラインテープ
正式なコートを借りることができない場合、床にラインテープを貼るだけで即席コートが完成します。100円ショップやスポーツ店で入手可能です。
スポーツシューズ
急な動きやストップが多いため、もし屋内でプレイする場合は滑り止め付きの屋内用シューズがおすすめ。バスケットボールやバレーボール用のものでも代用できます。
スタートまでの流れ(4ステップ)
ここでは、スタートまでの大まかな流れを説明します。
ピックルボールは手軽にスタートできて、楽しさのハードルも低いのが大きな魅力です。これから始める人にとって、最も大切なのは「とりあえずやってみること」。必要以上に準備で悩まず、まずは一度コートに立ってみましょう。
1.道具をそろえる
スターターセット(パドル2本+ボール数個)をネット通販で購入すれば、すぐに準備OK。1人5,000円前後が目安。
2.ルールを学ぶ
初心者向けの動画や、公式サイトのルール説明を見ておくだけで大丈夫。特にサーブの打ち方と得点方法だけでも覚えておけば、すぐに実践できます。
3.場所を探して予約する
「ピックルボール コート+地域名」で検索すれば、プレー可能な体育館や公園が見つかります。最近は専用施設も増加中です。
4.友人や家族を誘ってプレー!
1人でもできますが、2〜4人で遊ぶと断然楽しく、ラリーが続きやすいので達成感もアップ。最初はダブルス形式がおすすめです。
楽しさ倍増!イベント&コミュニティの広がり
ピックルボール人気が高まるにつれて、体験会・大会・常設施設の増加によってリアルなコミュニティが形成され、楽しさが倍増しています。
ここでは、現在進行中の主な動きを4つの観点から詳しく見ていきましょう。
全国で体験会・大会が活発に開催されている
ピックルボール日本連盟(PJF)が掲げる普及戦略の一環として、全国の主要都市や地方都市を舞台に定期的な体験会やイベントが開催されています。
特に「Sansan Pickleball Club」によって主催される体験イベントや交流会は、渋谷サクラステージなど都市の集客スポットで実施され、累計5,880名が参加する規模にまで成長しています。
参考:PJF中期・長期計画 | Pickleball Japan
参考:Sansan Pickleball Club
民間企業も普及活動に積極的に参入中
Sansan株式会社は、企業として「ピックルボールの普及」を戦略的に推進。2024年に設立された「Sansan Pickleball Club」では、体験イベントに加え、オープンコート企画や企業交流会開催、一流選手招致によるレッスンなど多彩な取り組みを展開しています。
さらには、赤坂サカス広場ではエキシビションマッチ「Pickleball Park in 赤坂」を開催するなど、注目度の高いイベントも実現しています。
インドアクラブ「The Picklr」の全国展開計画
世界最大級のピックルボール室内クラブフランチャイズである「The Picklr」が、日本全国に20拠点を展開する計画を発表しました。まずは東京を皮切りに、神奈川、大阪、愛知、福岡、北海道などへの展開を視野に入れています。
これにより、常設のプレイ施設とプログラムを軸とした“スポーツ文化の拠点”創出が期待されます。
参考:The Picklr Expands to Japan, Plans 20 Clubs – Athletech News
国際大会「PPA Tour Asia – Sansan FUKUOKA OPEN」が日本初開催
2025年8月26日~31日、福岡県糸島市でアジア初のPPA(Professional Pickleball Association)主催による国際大会「Sansan FUKUOKA OPEN」が開催され、1,232名のプレイヤーが出場し、総賞金は約7万ドル(約1,000万円)と日本最大級の規模です。
このような大会の開催は、日本の競技レベルを国際水準に引き上げ、地域活性化にも直結するものです。
まとめ|ピックルボールは今すぐ始められる注目の競技
ピックルボールは、初心者でもすぐに始められる手軽さと、年齢や性別を問わず誰とでも楽しめる柔軟さが魅力の新しいスポーツです。道具もシンプルでコートも小さく、体力に自信がなくても無理なくプレーできます。
ここ1年で競技人口が5倍に増えた背景には、施設の充実や企業の普及活動、イベントの盛り上がりといった要素があり、全国的にコミュニティが広がり続けています。
運動不足の解消や健康維持、家族や仲間との交流など、日常にプラスになる効果も多く、今こそ始めるには絶好のタイミングです。ピックルボールが、あなたの生活をもっと楽しく、もっとアクティブに変えてくれるかもしれません。まずは気軽に一歩を踏み出してみましょう。
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