スナック菓子市場のリーディングカンパニーとして知られるカルビー株式会社。ポテトチップスやじゃがりこなど、世代を超えて愛される商品を生み出し続けています。
では、なぜカルビーはここまで支持されるのでしょうか?その秘密に迫りつつ、次世代に向けた戦略や注目の取り組みを徹底的に解説します!
カルビー株式会社とは?企業概要をチェック
まずは、カルビー株式会社の基本情報を確認しておきましょう。
会社名 | カルビー株式会社 |
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代表取締役 | 宮崎 雅史(代表取締役社長) |
設立 | 1949年4月30日 |
所在地 | 〒100-0005 東京都千代田区丸の内1丁目8−3 丸の内トラストタワー 本館 22F |
事業内容 | 菓子・食品の製造・販売 |
カルビー株式会社は、日本を代表するスナック菓子メーカーとして知られています。その起源は1949年に広島県で創業された「松尾糧食工業」に遡り、戦後の食糧難を背景に、栄養価の高い食品の提供を目的として設立されました。
その後、1955年に「カルビー製菓株式会社」に改称し、ポテトチップスやかっぱえびせんを始めとする数々のヒット商品を通じて、多くの消費者に愛される企業へと成長しました。本社を東京に移転し、社名を現在の「カルビー株式会社」へ変更したのは1973年の事です。
代表取締役社長である宮崎雅史氏のリーダーシップのもと、カルビーは「人々の健康に役立つ商品づくり」というミッションを掲げています。このミッションに基づき、原材料の厳選や品質管理の徹底に加え、持続可能な社会の実現に向けた環境保全活動にも積極的に取り組んでいます。
カルビー株式会社の歴史と成長の秘訣
カルビー株式会社が他のスナック菓子メーカーと一線を画する理由の一つに、商品ラインアップの幅広さがあります。
伝統的なロングセラー商品から、トレンドを反映した新商品、さらには特定のニーズに応える機能性食品まで、カルビーの製品は年齢やライフスタイルを問わず、多くの人々の日常に寄り添っています。
これほど多様なラインアップを維持できる背景には、綿密な市場調査と消費者の声を反映する商品開発力、そして品質へのこだわりがあります。
特に「おいしさ」と「楽しさ」を両立させた商品作りは、カルビーの象徴ともいえる特徴です。消費者に親しまれた商品が多数ある一方で、新しい味わいやスタイルの商品も次々と生み出し、多様なニーズに応え続けています。では、具体的にどのような商品が多くの人々に支持されているのか、主力商品の詳細を見ていきましょう。
1. ポテトチップス
画像引用:カルビー株式会社公式サイト(https://www.calbee.co.jp/products/select/?cid=2)
カルビーの顔ともいえる「ポテトチップス」は、日本国内でのスナック菓子の定番商品として、数十年にわたり親しまれています。その特徴は、厳選されたじゃがいもと独自の製法による絶妙な食感。厚切りタイプから薄切りタイプまで揃え、さらに「うすしお味」「コンソメパンチ」「のり塩」など多彩なフレーバーが楽しめます。
特にこだわりのコンソメパウダーを使った「コンソメパンチ」は、甘さと旨味のバランスが絶妙なフレーバーとして、1978年の登場以来、不動の人気を誇ります。2023年に発売から45周年を迎えても衰えることを知らないその人気は、コンソメパンチのブランドサイトが立ち上がるほど。
期間限定で発売される新フレーバーや地域限定フレーバーも、消費者の期待を常に上回る展開が行われています。
2. じゃがりこ
画像引用:じゃがりこ公式WEBサイト じゃがりこチャンネル|カルビー(https://www.calbee.co.jp/jagarico/)
「じゃがりこ」は1995年の発売以来、そのユニークな形状と食感で多くのファンを魅了してきました。スティック型の形状は手軽に食べられるだけでなく、袋菓子に比べて持ち運びやすいという特徴もあります。
さらに、「サラダ味」や「チーズ味」をはじめとする定番フレーバーに加え、季節限定や地域限定のフレーバーが定期的に登場することで、消費者に常に新鮮な体験を提供しています。
また、近年ではじゃがりこの「アレンジレシピ」も話題となり、インスタント料理やおつまみとしての活用方法がSNSを中心に広がっています。その他、好きな写真やメッセージを設定したパッケージを作るオリジナルの「デコじゃがりこ」サービスなども。
こうした付加価値が、幅広い世代に受け入れられている理由の一つです。
3. フルグラ
画像引用:カルビー株式会社公式サイト(https://www.calbee.co.jp/frugra/)
「フルグラ」は、健康志向が高まる現代において、カルビーの新たな柱となっている商品です。オーツ麦をベースに、ドライフルーツやナッツを組み合わせたシリアル食品で、手軽に栄養を摂取できる点が特徴。
朝食や軽食として最適で、若年層からファミリー層まで幅広く支持されています。ドライフルーツの食感が苦手という方には、姉妹ブランドの「マイグラ」もおすすめです。
「そのまま食べてもおいしい」ことが売りでありながら、牛乳やヨーグルトを加えることでよりバランスの取れた食事が楽しめるのも魅力の一つ。特に、糖質オフや食物繊維配合のラインは、健康を気にする人々にとって強い味方となっています。
次世代に向けたカルビーの取り組み
カルビーは、スナック菓子の枠を超え、食の未来を創造するため、様々な取り組みを行っています。ここでは、カルビー株式会社が行っている取り組みのなかから、特に注目したいものをピックアップして紹介します。
健康志向商品の開発
カルビー株式会社は、近年高まる健康志向に対応するため、スナック菓子の新たな可能性を追求しています。「ヘルシーさ」と「おいしさ」を両立させた商品開発を進め、従来のスナック菓子ファンだけでなく、健康を気にする層にもアプローチしています。
ポイント1:低カロリー・低塩分のスナック
従来のスナック菓子の高カロリー・高塩分のイメージを払拭するため、カロリーや塩分を控えめにした商品を積極的に開発。たとえば、「減塩ポテトチップス」や、特定の成分を除いた「グルテンフリー」商品などが発売されています。
ポイント2:機能性食品の展開
健康維持を目的とした栄養素を強化したスナック菓子も注目されています。例えば、プロテイン配合やビタミンを添加した商品は、運動を習慣とする層や働き盛りの世代をターゲットにしたものです。
サステナビリティへの取り組み
カルビー株式会社は、持続可能な社会の実現を目指して「サステナビリティ経営」を経営の中心に据え、社会と地球環境に配慮した活動を積極的に行っています。
カルビーのこれらの取り組みは、地球環境への配慮だけでなく、地域社会や消費者、さらには従業員にとっても価値を生み出す活動として展開されています。これにより、企業としての持続可能性を高めるだけでなく、グローバル規模での環境問題への貢献を進めています
カルビーが行っている取り組みの中から、特に注目したい取り組み内容をピックアップして紹介します。
1. カーボンニュートラルの達成
カルビーは2030年までに温室効果ガス排出量を2019年度比で30%削減することを目指しています。
これには、再生可能エネルギーの導入や製造プロセスの効率化が含まれます。さらに長期的には、2050年までにネットゼロを目指し、地球温暖化対策に取り組んでいます。
2. プラスチック使用量の削減
製品パッケージに使用されるプラスチックの削減にも力を入れており、2030年までに石油由来プラスチックの使用量を50%削減する目標を掲げています。
さらに、2050年には環境配慮型素材への完全転換を目指しています。この一環として、アルミ蒸着フィルムのリサイクル技術を導入し、廃棄物を再資源化する取り組みを開始しています。
3. フードロスの削減
生産過程で発生する食品廃棄物を削減するため、カルビーは製造工程の最適化や原料廃棄の削減に取り組んでいます。
現在、2019年度比で10.6%の削減を達成しており、さらに2030年までに30%削減を目指しています。廃棄された原材料の堆肥化や飼料化にも取り組んでいます。
4. 水使用量の削減
カルビーは、ばれいしょを洗浄するために利用する水についても適正化に取り組んでおり、水使用量削減のための適正化と循環利用を進めています。
2025年に新設予定の広島工場では水循環利用設備を導入予定で、その効果を基に他の工場への展開を検討するとのことです。
カルビー株式会社のグローバル展開
カルビー株式会社は、国内市場だけでなく、海外市場への進出にも積極的です。現地の嗜好や文化、所得の状況などといった最新のデータを分析し、地域ごとに異なる商品を展開することで、国際的な市場での競争力を高めています。また、一部の地域では現地に生産拠点を設けています。
海外展開では、北米と中華圏を重点地域として設定しています。北米では「Harvest Snaps」「かっぱえびせん」「じゃがりこ」、中華圏では「フルグラ」「Jagabee」「じゃがりこ」をそれぞれ主力商品として展開中です。現在、日本でも人気の「じゃがりこ」をグローバルブランドへと育成していく計画だということです。
その他の海外展開としては、韓国・タイ・シンガポール・インドネシア・オーストラリア・イギリスなどの国が挙げられます。
まとめ
カルビー株式会社は、1949年の創業以来、日本を代表するスナック菓子メーカーとして、世代を超えて愛される商品を生み出してきました。ポテトチップスやじゃがりこ、フルグラなど、多様な商品ラインアップで消費者の幅広いニーズに応え、常に時代に即した新しい価値を提供しています。
さらに、近年では健康志向商品の開発や持続可能な社会の実現に向けたサステナビリティ活動にも注力。低カロリー・低塩分の商品や機能性食品の開発、プラスチック削減やフードロス対策など、社会や環境への配慮を通じて企業としての責任を果たしています。
また、国内市場にとどまらず、北米や中華圏を中心とした海外展開も積極的に進めており、グローバルブランドとしての地位を築きつつあります。
「おいしさ」と「楽しさ」を提供するだけでなく、未来に向けた革新的な取り組みを続けるカルビー株式会社。変わりゆく時代の中で、次世代にも愛される企業であり続ける理由は、確かな品質と社会的責任を両立させたその姿勢にあると言えるでしょう。
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